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たばたと倒れた街並みは地獄絵のようであり、人の命がこんなに簡単になくなるものかと大きな衝撃を受けました。

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芦屋市担当

(左)石垣鋭彦委員 (右)南澤大六委員

 

(田良原委員)
自宅は、壁や床に亀裂が入り、瓦はガタガタ、タイルが浮くような状態となったものの、住む分には大きな問題はありませんでした。
もちろん、家の中は家具やものが散乱して、大変な状況でありましたが。
自宅は、阪神高速道路が倒れたところから近くにあります。周辺の 500戸のうち32戸が全壊し、それも昔からの立派な家ほど大きな被害があったのが印象的でした。
私は、民生委員を委嘱されている関係から、空が明るくなるに連れて気になったのが、担当している地域の5人の高齢者等の方達の安否です。順番に1人ずつまわり、5人とも無事であることを確認し、ホッとしたことを覚えています。
(芦屋市・杉町広報課長)
芦屋市の被害状況についての放送を最初に聞いたのが午前11時頃のラジオでして、確か被害戸数は 200戸であったと記憶しています。自宅がある神戸市の六甲アイランドは、液状減少がみられた程度でしたので、芦屋市の被害がそれほどひどいとはおもわれませんでした。
自宅からみると、山の手の方角で煙が5本ほど上がっており、とにかく市役所に駆けつけなければと思い、リュックとボストンバックに食糧などを詰め込んで出掛けました。住民の足となっていた六甲ライナーは、橋桁が海に倒れて不通でしたから、歩いて対岸の住吉に渡りました。
途中、火災現場、スーパーでの長蛇の列、タンカで搬出される負傷者等々をみて、すごい被害が生じていることを実感しながら、ようやく市役所に着くことができました。
私が当時所属していた生活文化課(現コミュニティ課)は、庁舎の出入口に一番近い所にあり、市役所への訪問者が必ず訪れる所でもあったことから、いつの間にか総合案内所となりました。
(芦屋市・和田コミュニティ課長)
自宅や周辺には大きな被もなく、これほどまでの被害があろうとは想像もできませんでした。電話が通じなかったので、車で15分程の所にいる85歳の母親宅に出向き無事を確認した後、車で市役所に向いました。西宮市と芦屋市との市境にある夙川に掛かる国道2号の端がずれており、車は歩道を通行するなどの状況で渋滞していたため、裏道を利用しましたが、春日町周辺では、木造住宅の大部分が全壊しており、改めて被害の大きさを実感しました。
午前8時頃には市役所に到着しましたが、登庁した職員は非常に少なかった。ちなみに芦屋市の職員 1,300人のうち、市内に居住するものは30%しかいなくて、他は神戸市に30%、西宮市に18%、尼崎市に5%と、ほとん

 

 

 

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